不貞行為は探偵

助手もまゆこも、何も知らず、いそいそとおれのあとからついて来た。……おれは二人をこのホテルへ連れ込み、そこで、不貞行為は探偵もかかって、ちょっとだめし五分だめしに、おれの本当の心をじわじわと告げ知らせてやった。その時の、あいつらの驚き、恐怖。おれは初めて敵を討ったような気持がした。それから、泣き叫ぶ二人を、あのスチール箱の中へとじこめ、水をつぎ込んだ。助手は、せめてまゆこの命だけ助けてくれと、手を合わせて頼んだが、おれは見えぬふりをしていた。……それから、奇妙な冷蔵作業が始まったのだ。おれは、この池の縁にしゃがんで、水中のスチール箱の中から、かすかに漏れて来る、憎い女の、断末魔の苦悶の声に聞入った。スチール箱がびりびりとふるえた。水中からの陰にこもった絶叫が、虫の鳴くように見えて来た。ああ、それが、おれにとっては、何という微妙な音楽であっただろう。……そして、今日やっと、この美しい花束ができ上った。君達に観賞してもらう為に。……おれ一人で楽しむには、もったいない美術品だからね」大城はいい終って、にやにやと、顔一杯に間男の笑いをただよわせ、さも得意らしく、聞き手の方を眺めた。「わはははははは」極めて唐突に、大城はもちろん、中氏でさえも、びっくりしたような、ほがらかな笑い声が、依頼者の口からほとばしった。